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2007年2月21日 (水)

ペ・ドゥナ特集第2弾

さて、スタートです。
まずは最新作、「グエムル」です。

韓国で記録的なヒットを飛ばした映画です。
プロモーションに来日したペ・ドゥナは、
「私の愛している作品の興行成績を前夜祭だけで上回ってしまった」
と複雑な心境だったようです。
日本では「驚異の怪物映画」みたいなプロモーションをしたようですが、これは「家族愛」がテーマですね。
但し「愛さえあれば、すべて解決」という映画ではありません。

2000年の在韓米軍による汚染物質流出事件から発想された作品らしいですね。
プロットは、
在韓米軍の研究所から漢江(ソウルを流れる大きな河)に化学薬品が不法廃棄され、
その影響で、突然変異した生物(「怪物くん」と呼びますね)が生まれ、
怪物くんに娘がさらわれ、
その父親が家族とともに娘を救出しようととする話しを縦糸に、
その怪物が宿しているというウィルスへの対応を横糸にしています。
何かハリウッド映画2本を混ぜたようね感じですね。
メインキャストは、
ガン・ソンホ(「シュリ」、「JSA」などの名優。パパの役)、
ビョン・ヒボン(祖父役)、
パク・ナミル(伯父役)、
ペ・ドゥナ(伯母役)で、韓国ではいずれもスター俳優だそうです。
それとコ・アソン(中学生の娘役)はTVで人気のある人らしいです。
ということで、「韓国版オールキャストの怪物映画なのか?」というところが問題です。それから「グエムル」というのは「怪物」という漢字のハングル読みだそうです。
ですから日本でも当初は映画のタイトルは「怪物」と紹介されていました。
英語タイトルは"The Host"です。

この映画を見て、
「よくこれを作ったなぁ」
と思いました。

これは順を追ってお話ししないと分かりづらいと思います。

まず構図です。
悪役は突然変異の怪物ですが、その他に米軍と韓国の政府側の人間(ま、役人といえばいいかな)が悪役というか、かなり揶揄されています。
大きい出来事は米軍担当で、小さなところは韓国の役人担当ですかね。
反米的というより、いかにもUSがやりそうな行動をなぞっている感じかな。

対する娘救出隊は、
漢江の近くの公園の売店の店主(祖父)と、
その息子(パパ。髪が黄色い長男)、
次男の大卒で就職難で無職(伯父)、
長女でアーチェリーのトップ選手(伯母)という一般民間人です。
パパが主人公ですね。
生活能力なし、子供みたいな判断力だが、中学生の娘あり、妻は娘が生まれてすぐ逃げたそうです。
皆さん韓国の民間人ですから、徴兵制度があり、男性は銃が撃てます。
また伯父は学生運動をしていたので、火炎瓶作りがうまいんです。
伯母は足が遅くて、やや動作が鈍いアスリートです。まあ何か武器が必要なのでアーチェリー選手に設定したのでしょう(ペ・ドゥナは3ヶ月間特訓したそうです)。

で、この怪物くん、会社が左前になって投身自殺をした社長さんを食べちゃったらしく、人間の肉に味をしめたようです。
それで陸に上がります。
ここでハリウッド映画なら、まずは全貌は見せずに、徐々にサスペンスを盛り上げるところ。
でも、こちらは最初から全身を晒して、ティラノサウルスばりの猛突進。
人間食べまくり。
凄い迫力。
期待できそうと思いました。

ここはネタバレ。
さて、この怪物くん、お腹が一杯になると、食料を貯蔵するらしく、人間をくわえていきます。
それで運良く娘はさらわれるだけで済みます。

取りあえず娘は死んだ思われます。
遺影を前に四人が集まります。
ここは号泣大会。
役人さん傍若無人、でも何か間抜けな人も。
変な演出だなぁ。
更にそこにいた人はウィルス感染の恐れあり、ということで全員隔離。
ま、結局娘からは携帯電話で連絡があり、怪物くんにさらわれたことが判明。
でも役人さん、信じない。
仕方がないので、家族で脱走、自力で娘を捜すことに。
傭兵を頼むお金もなければ、つてもありませんし。

ここまででもあったんですが、特にこの後の展開が理解できなかったんですね。
緩急を付けるのは当然として、緩む部分が笑いを取りに行っているようで、浮いて見えるんですね。
話しが進めば進むほど、理解できないシーンが増えていきました。
そのうち不安になりまして。
私はこの映画の見方を間違えているのかもしれないと。
これはまずい。

で、映画の中盤過ぎ。
色々あって、自由に動けるのが叔母だけになる。
伯母さん、かっこよく疾走。
ペ・ドゥナの走りは綺麗です。
怪物くんと一騎打ちの模様です。
やっと本番か。
シガニー・ウィーバーばりかな。
シガニーより背は低いけど。
でも実はペ・ドゥナは171センチ、東洋人にしては大きい。
シガニーより軽いけど。
モデル出身でスタイルはいいけど、細い。
突進してくる怪物くんに、アーチェリーを構える。
ここはやはり眼だな。
片眼を射抜いて、横っ飛びで逃げる・・・・・・あれ。

ここネタバレ。
一撃で吹っ飛んだ伯母さん。

ここで気付きました。
それまでの分からなかったシーンがフラッシュバックし、理解できました。
これは「シュルク」だ。

「シュルク」というのはドリームワークス製作のフルCGアニメです。
ただ、製作陣は元ディズニー系の会社にいた人達です。
彼らが「お姫様と妖怪の話し」という、いかにも昔のディズニーという題材で製作したものです。
但し、展開の振りははディズニー的なんですが、落ちは「ディズニーじゃあ全体あり得ない」というものに終始します。
そしてラストシーンが・・・・・・ディズニーをあざ笑ってるんでしょうか?
オスカーの長編アニメ部門をディズニー系のピクシーの作品「モンスター・インク」を抑えて受賞しました。

本作は「いかにもハリウッド映画」という題材を使って、振りはハリウッド的、落ちはすべて裏切ったんです。
冒頭のシーン、いきなり全貌を現わした怪物くん、あれは「この映画はハリウッド調じゃない」という合図だったんだ。

当初一番違和感があったシーン。
脱走して売店の倉庫に逃げ込む四人。
パパを莫迦にする伯父、伯母を祖父が諭します。
「おまえら、パパ(長男)は昔からああじゃなかったんだ」

ハリウッドならどうしようもないパパが、途中から超人的な活躍を見せたりします。
実はグータラになったのには訳があったんだ。

祖父の話しが続きます・・・・・・パパは昔から同じだったんですね。
伯父、伯母は何度も聞いた話なんでしょう・・・・・・寝てます。

この設定上の毒、好きですね、意図が分かると。
一見笑いのシーンに見えたところは、パパの性格描写の部分と役人への揶揄だったんです。

跳んでクライマックス。
は、やりすぎかな。
倉庫シーンの前に戻ります。
脱走の手助けを頼んだ、いかにもまずそうな一団がいまして。
足下を見ているのか、約束と状況が違うと値上げ交渉。
結局クレジットカードまで取られる。
ところが、この連中、実は良い仕事をしてるんですね。
ちゃんと状況に応じたものを手配している。
闇の世界では正当な値段だったのかも。
かと思うと、役人は賄賂の要求。
やれやれ。
事態は把握しましょうね。

で、クライマックス。
米軍が最新のガスで怪物くんを攻撃。
一度は弱る怪物くん。
そこにメインの三人(祖父はいない)プラス伯父に「ついて来た人」(そうとしか言いようがない)。
そして怪物くん、復活。
三人のヒーロー、ヒロイン的な活躍が描かれます・・・・・・一見。
でも、よ~く見ると。
ポイントは、「ついて来た人」ですか。
最後はパパが渾身の力。

ということなんですが、何か昔の仇討ちみいに思えました。
戦闘能力のない子供の仇討ちをヒーローが助っ人する。
あとはとどめを刺すだけ。
「ぼうず、今だ! 」
「父の仇! 」
懐に飛び込んで、脇差しで一突き。

ここネタバレ。
米軍の兵器で怪物くん、弱ってます。
最後の力を振り絞って、怪物くん戦います。
結局、「ついて来た人」と伯父、伯母の連係で、怪物くんは体の内側まで炎に包まれます。
   しかし、アクションもこなすペ・ドゥナ(伯母)、颯爽と
   している。
   たしかに格好良い。
体中炎に包まれている怪物くん、漢江を目指します。
そこへパパ登場、渾身の力で串刺しにします。
ん~、でも米軍の兵器で放っておいても死ぬみたいですよ。
ガスを吸った人は血を吐いて絶命したみたいだし。
ま、怪物くんが最後の莫迦力を発揮してたから、とどめは刺すべきですが。

たしかに一般人としては良くやった。

何か、そんな感じがしました。
よ~く見ないと分からないんですが。

で、最後のハリウッドへの裏切り。
残念ながら、これしかないですね。
ハリウッドなら絶対やらない・・・・・・。
リアルといえば、リアルか。
救いは新たな希望の芽かな。
でも、あのパパで大丈夫なんだろうか。
髪の色が変わったのは、前よりしっかりしたという演出かな。

この映画はハリウッド映画どっぷり浸かっている人には面白いかも。
「先が読めた。裏切られた」の連続ですから。
ニューヨーク・タイムズに好評だったというのは分かる気がします。

しかし、伯母役、ペ・ドゥナである必要があったのかな?
演技力が必要とされる役ではあると思いますが。
他のメインキャストは持ち味が十分出ていました。
珍しく情けない役のソン・ガンホも良かったし。

調べてみると2006年の興行成績は世界で50位台だったそうです。
ただ日本ではあまりヒットしなかったそうです。
好き嫌いが分かれたとか。
まあ普通の怪物映画としてプロモーションしたせいでしょう。
キネマ旬報ベストテンの外国映画部門では3位だったとか。
玄人受けはするんでしょうかね。

私的には良い映画に出会えて満足です。
解釈に悩んだ分だけ達成感があります。
途中で意図に気付いたし。
二度目に見たときは、何度も笑いそうになりました。
え~違った意味で。
そして、感動的でもありました。

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